事業承継にも活用されるM&Aの基礎知識と進め方

M&Aの基本から流れまで徹底解説

専門家の支援でM&Aを成功させる

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売り手と買い手の役割を整理する

M&Aでは売り手と買い手の立場を明確にすることが不可欠です。
売り手側は会社や事業を譲渡する立場であり、事業承継が困難になったり、資金繰りが厳しくなったりした場合に選択肢となります。
会社を手放すことは簡単ではありませんが、信頼できる買い手に引き継ぐことで従業員の雇用や取引先との関係を守れる可能性があります。
一方、買い手側は会社や事業を取得することで、新しい事業基盤を得たり、市場シェアを拡大したりできます。
人材や技術を一度に獲得できる点も大きなメリットです。
ただし双方が利益を得られる取引にするためには、条件交渉や合意形成が重要です。
売り手と買い手が立場を理解し合い、共通の目的に向かって協力することがM&A成功の基本だと覚えておきましょう。

代表的な3つのM&A手法

M&Aには代表的な3つの方法があります。
最も一般的なのは株式譲渡で、売り手が保有する株式を買い手に渡すことで経営権を移す方法です。
株式を譲渡すれば会社の全体を引き継げるため、手続きが比較的シンプルで利用しやすい手法とされています。
次に事業譲渡があります。
これは会社全体ではなく特定の事業や部門のみを譲渡する方法で、買い手は不要な資産や負債を引き継がずに済む点がメリットです。
そして三つ目は合併や会社分割です。
合併は複数の企業を一つに統合する方法であり、経営効率の向上や市場での競争力強化につながります。
逆に会社分割は一つの会社を複数に分け、それぞれ独立して運営する方法です。
状況に応じて適切な手法を選ぶことで、M&Aは大きな効果を発揮します。